renconからのお知らせ

2013年3月24日をもって、喫茶室renconは閉店させていただきました。2年3か月の期間中、のべ1万人以上の方にご利用いただくことができました。スタッフ一同、心より感謝いたしております。今後も、また違った形で、鎌倉近美の存続の問題を議論できる開かれた場を作っていきたいと思います。これまで応援下さったみなさま、どうもありがとうございました!
なお4月以降は、展覧会をご覧になった方のみが喫茶室を利用できる、以前のような方式に戻ることが決定したようです。残念ながら展覧会チケットなしでの喫茶室の利用はできなくなりますのでお気を付けください。
(以上は3月25日 追記。以下は閉店のお知らせの1月末日のポストです)
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2011年1月よりNPO法人ルートカルチャーは神奈川県立近代美術館 鎌倉 内の喫茶室renconを運営してきていましたが、2013年3月末をもってrenconとしての運営を終えることになりました。これまでrenconにお越しくださった皆様、そして、renconの運営にさまざまな面でお力添えをくださった皆様に、この場を借りて御礼申し上げます。4月からは新しい名前で別の業者さんが喫茶室の運営を行うことになりますが、現在開催中の「実験工房展」の最終日3月24日まではrenconとして営業していますので、引き続きぜひご利用いただければと思います。
renconの名前の由来は、喫茶室のテラスから一望できる蓮池とルート(=根)カルチャーをかけて、そして、美術館の存続について市民県民のみなさんと開かれた議論を行えるような場にしたい(rencontré=仏語で会議、ミーティングなどの意)というコンセプトによるものです。renconとしての運営は残り2か月になりましたが、この期間に限らず、今後も鎌倉近美がどのような場所であったらよいのか、たくさんの方と話し合うことができればと思っています。


少し経緯をお話したいと思います。
renconがオープンしたのは2011年1月29日。当時の展覧会「辻晋堂展」にあわせてのスタートでした。前の事業者の事情により喫茶室が突然クローズし、オープンの1か月ほど前に急きょ美術館側からの依頼があったことがきっかけです。それまでルートカルチャーとしてカフェを運営した経験があったわけではありませんでしたが、2016年に鶴岡八幡宮と神奈川県との借地契約が解消されるとの噂を耳にしていたこともあり、微力でもなんとかあの美術館を存続させていくための力になれないだろうか、中に入ることで存続に向けて議論を活性化することができないだろうかとの思いや、「鎌倉という地域に根ざした形での運営を」ということで、いろいろな方にご協力いただきながら実質3週間ほどの短い準備期間でなんとかrenconをスタートさせました。
喫茶営業のプロとは言えない市民NPOの運営で至らない点もあったと思いますが、それまでの喫茶室とは違い、これだけは良かったと思っていることがあります。それは、美術館と交渉して、展覧会の鑑賞券を購入しなくても喫茶室だけの利用ができるようになったことです。
それによって、多くの美術ファン、建築ファンを虜にする“鎌倉近美”に、誰もがいつでも気軽に足を踏み入れることができるようになりました。以前はひとつの展覧会の会期中には1度訪れるだけだったという方も、2度、3度と美術館を訪れてくださるようになりました。必ずしも熱心な美術ファンではなかったという方の中には、renconを利用することで初めて鎌倉近美に足を踏み入れた、という方も多くいらっしゃいました。地元にこんな素敵な場所があったことに驚き、展覧会にも足を運ぶようになったという方も少なくありません。前例にとらわれることなくこうした制度変更にご尽力くださった水沢館長(当時副館長)ほか美術館職員・スタッフの皆様には大変感謝しています。
昨年末に行われた次年度の喫茶室運営事業者の入札によって、美術館内の「喫茶室rencon」は残念ながらクローズの運びとなりましたが、近代美術館に対する私たちの思いは今も変わりません。この2年間の経験を活かして、今後も美術館の存続のための力になれるよう、これまでとは違った形で、開かれた議論を行えるような機会をつくっていきたいと思います。
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